杜の都のSF研日記(アーカイブ)

旧「杜の都のSF研日記」http://d.hatena.ne.jp/sftonnpei/ 内容を保管しております

好き砲台

ニュートンズ・ウェイク (ハヤカワ文庫SF)

 ごめん、現代のネタ小説としてはいいんだけど。どうも某シリーズの「テクノコア」を知っていると
突っ走って人間を突き放した連中の部分が弱い気がする。ネット接続中の連中丸ごとぶっ飛んだという
発想は好き。P2Pに流れるのが違法ユーザーの精神とかダークでよくないですか<文中にはありません

20世紀SF〈6〉1990年代―遺伝子戦争 (河出文庫)

バクスターの『軍用機』目当てだったが、イーガン『しあわせの理由』(このころは文庫化はこれのみだった)
に「ハイペリオン」の原型『ケンタウルスの死』などが入っていてかなり面白かった。ダン・シモンズ
実際教師時代にいろいろな創作読み聞かせをやっていたそうだが、そんな環境にいたらどう育ったことやら。
火星縦断の人の月面マラソンや超耐性菌なども結構当たり。
あと忘れてはいけない『マジンラ世紀末最終大決戦』。オタコンよろしく欲望と夢のままに日本企業が作ってみたけど
軍事にも作業にも警察にも役立たずの巨大ロボを買い取った興行師の巻き起こす大騒動。
そう、二足兵器の相手は二足兵器以外に有り得ないのだよ!案外すぐに実現するかもしれません
ランドウォーカーvs1/1スコープドッグvs NMX04-1A*1とか。

内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)

ジャイスター5部作の第四巻。おかしな侵略で分裂の危機に瀕するジェヴレンにあの二人が乗り込む。
キャラにもいろいろ変化がありましたが、下ネタまで覚える知識バカと化したゾラックより
軽やかなヴィザーのほうが確かに良いですな。ただ、ファンタジー世界を○○○でやるってかなり
手をつけられちゃっているので、もっと早く読んどけばよかったかもしれぬ。うむむ

リングワールド (ハヤカワ文庫 SF (616))

「恒星をリボン上に囲む構造物」といえばこれ。ビジュアルと科学の絶妙なバランスが
こういうSF的風景を生むのですな
冒険ハードSFなだけじゃなくて「進化と成長」「宗教」の話でもあったのか。猫顔のマルス神なんてやるのも
最高。(これが本当の猫侍か?)
ここではプロテクターにはあまり触れられていないのが意外。続編は長々とあるのでまた期待
妄想としてティーラ・ブラウン遺伝子VS異能生存体で運試しバトル、とかやるとどうなるんだろうと
思ったり。他の一般の「方程式」と違ってフィクションでは確率論は登場人物に優しいけどな(何)

*1:アラスカの青年が自費で開発。更なる開発のためebayで売却された。公式サイトneogentronyx.com参照