杜の都のSF研日記(アーカイブ)

旧「杜の都のSF研日記」http://d.hatena.ne.jp/sftonnpei/ 内容を保管しております

最近の読み物

敵は海賊海賊版(神林 長平)

 悪くはなかった。
 ただ、ツザッキィが冷酷無比の海賊として描かれながら、
信用している仲間(ジュビリー)が居るという設定が納得いかない。
クラーラと分離したあと、完全な悪役になったコトの証明として
殺すためのかませ犬かと思ったのにそうでもなかったし。
深井零(「戦闘妖精・雪風」)と同じでその人格設定が中途半端にかんじる。
まぁ、人間は情の全てを捨てることはできないという事を言いたいのかもしれないが。
 ちなみに、CAW−systemが何のために出てくるのかがわからない。
馬鹿でごめんなさい。 
 機会があったら続きを読んでみたいが、個人的には雪風のほうが好み。

神狩り(山田 正紀)

 微妙…。つまらなくはない、と思う。
 未熟な論理しか理解できないこの頭では十分に理解できなかったのだが、
神は2つの理論記号で論理を構築でき、人間は5つもの理論記号
(連言「そして」、含音「ならば」、選言「あるいは」、否定「でない」、必然性「必然である」…p56)
を用いて論理を構築すると書いてあり、この二者の論理は共通部分を持たない
という設定になっている。
…これでは、人間が神様の言うことがわからないのは当然として、神様も人間の意識を
理解できるとは思えないのですが。
 さらに、理亜ちゃん(霊能力者)は神を恐れて自殺したはずなのに後半では
島津(主人公)を助けるために幽霊となって再登場!
………幽霊になって残るくらいなら始めから死ぬなよ! 
可能な解釈は、逃げ腰になった男たちにやる気を起こさせるために自殺して、
自分はその成果を幽霊になって見物していた、というものだが、
この場合この女は魔女に違いない。
 最期に神が人間に火星に行って欲しくない理由として、火星に「古代文字」で
警告文が記されているからとなっているが、どこのアホが本当に来て欲しくないところ
にわざわざ目印をおくというのか。
…神様なめんな!

タウ・ゼロ(ポール・アンダースン

ネタばれあるので、読んでない人は注意。

 ホーガン程ではないが、いい作品だと思う。
 特徴としては、SFとしての技術説明が多いことだろうか。
どこまでが正しい科学技術で、どこからがSFなのかを理解できない
自分の理解力と知識の乏しさが悲しいが。
τ(タウ)・ゼロとは光速のことであるらしい。
 ストーリーとしては、事故にあった宇宙船のなかで一人の男が
困難な現実と戦っていくという感じ。基本的には人間関係が主題。
発表当時ならともかく、今ならどこにでも転がっている話。 
 とはいえ、まさか宇宙開闢を乗り越えるとは…。
 ちなみにラストにあまり感動できなかったが、先に読んだラノベ
呆れていたためという可能性が濃厚。
普通のテンションだったらどう感じただろう。

ここからはラノベ

 皆読んでないだろうから適当に。

空と月の王(霧島ケイ)

 この作者は個人的には実力があると思っている。
世間の評価は知らないが。
 この話は微妙だったが、とりあえず次巻までは買ってみる予定。

銃姫5(高殿 円)

 一巻はなかなか気に入っているのだが、次第にどうでもよくなってきている。
 どうしたものか…。

火魅子炎戦記 百花繚乱編(舞阪 洸)

 これも惰性で読んでいる。
 PSのお色気ゲームの原作であると思われる。

ムーンスペル!! 真夏の迷宮(尼野 ゆたか)

 さらに惰性で読んでいる。
 ラノベ作家には三巻以降も面白いといえる作家は少ない。
 どいつもこいつも一冊出して消えればいいものを。

紅牙のルビーウルフ(淡路 帆希)

 富士見ファンタジアで新人賞をもらった作品。
 が、どうでもよい。



批判しか書けないのは、私の性格が悪いのでしょうか。
それとも、批判されるような作品しか書かないくせに
作家を名乗る奴らが悪いのでしょうか。
…いろいろと微妙です  <銀>