杜の都のSF研日記(アーカイブ)

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余・見・喪・野(よみもの)

第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

 おもしろかったが、『復活の地』のほうが好みだった。
 しかし、どちらにも共通して思ったのだが、彼の作品にヒロインは必要なのだろうか。この作品では、主人公とヒロインは時間と空間の両方の意味で超遠距離恋愛になっているが、この状況で恋愛が成立する理由は全く無視していた。話の主題はそんなことではないので構わないのだが、二人は〜年ぶりに再開した、というような描写を見ると、んん〜?…と思ってしまうので、最初から男同士の友情のほうが無難だったのではないだろうか。それでもストーリーは全く変わらないし。

伝説の勇者の伝説(9) 完全無欠の王様 (富士見ファンタジア文庫)

 この人は、とりあえず文章が酷すぎる。なんか、幼児向けなのか、と言いたくなるほど。あんがい、ほんとにそのつもりで書いているのだろうか? そんな作品をなぜ九巻までよんでいるかというと、この人は文章とは反対にストーリーがなかなか上手なのである。キャラクターもそれなりに味があり、九巻になっても話がダレていない。本当にストーリーだけならラノベ界ではかなり上位にいるとおもう。あくまでストーリーだけなら。

風の聖痕(6) ─疾風の槍─ (富士見ファンタジア文庫)

 この作品の一巻はとても気に入っている。実力がある主人公が自らの実力を隠しておき、強敵が油断するように仕向けた上で、不意打ちで撃破。そのうえで高笑いする主人公、という構図に惚れました。二巻以降はとりたててみるべきところはないが、まぁ主人公の性格の非道さを楽しみながら読み続けている。しかし、巻が進むごとに作者が下手になっていく気がするなぁ…。

愛と哀しみのエスパーマン (富士見ファンタジア文庫)

 この作者のギャグは個人的に好きなのである。エンジェル・ハウリングの妖精もそうだったが、大笑いするようなものではなく、独りでくつくつと笑えるような感じ。シリアスな作品(オーフェンなど)は正直何を言っているのか判らないので、あまり好きではないのだが、世間ではオーフェンと違ってほとんど売れていない様子。彼の笑いは高度すぎるのさ、と少々強がってみたり。

 

クリスマス上等。(三浦 勇雄)

 新人なんだと思う。少々特異な設定ではあるが、あくまで王道を突っ走る作品。時間の無駄だったなんていわないよ、言いたいけど。

世界のキズナ①(有澤 透世)

 こいつも新人。さらに王道。王道を書いていいのは実力がある人間だけだと思うのだが。新人が自分の個性を出せない作品を書いてどうするんだろう、とは思ったが、こういうのが好きな人も大勢いるのでOKなのだろう。
                              
                                 <銀>