読了(ネタばれ上等!)
猶予(いざよい)の月
谷川流が読んだ本の一つとして紹介されていた本のなかで、題名に興味が持てそうなものを読んでみたわけであるが、結果、どうやら『涼宮ハルヒシリーズ』で世界は〜年前にできたのだ、といわれている発想はこの本を参考にしたらしいことが発覚した。
おもいのほか面白くて驚いてしまった。内容は
姉と弟の禁断の愛とか、その辺が実は主題だったのかもしれないがわたしにはたいして興味がないというか、よくわからなかった。他の二、三作を読んで思っていたのだが、神林の作品の人間心理は理解しづらい。感性が違うのであろうか。あるいはわたしの感性が未熟なだけなのかもしれないが、もしそうなら『生涯子供』を標榜として生きているわたしが理解できる日はおそらく来ないであろう。
この作品でわたしの気に入った部分は、ヒトの見ていないものは動いていない、というあり方である。それまで動いていなかったものは、誰かが観測すると同時に世界への同化が始まり、あらゆる矛盾を世界が修正してしまう。細かい設定は読まなければ分からないだろうから省略するが、自分が見ていないときには世界は本当は動いていないかもしれない、という
とりあえず、個人的には大変気に入ったので、いずれ焼豚氏から『完璧な涙』でも借りて読んでみようかと。
以下、ラノベ
青葉くんとウチュウ・ジン(松野 秋鳴)
MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作。
この出来で新人じゃなかったら許せません。というか、許しません!
その本、持ち出しを禁ず(十月 ユウ)
異界司書が本を管理する話。これである程度内容は分かると思う。
これも新人。ただ、こちらは場合によってはわたし好み(この場合、萌えキャラが出てこなくても面白いという意味)の作品を書けるようになりそう。まぁ、まだ新人なので気長に待ちます。
ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)
中身など何もないが、ただその語感が面白くて読んでいる。この基地外じみた言葉こそこの作品が売れる理由だろうとわたしは思う。とはいえ、作品が終わっても全く回収されることのない伏線を作中に山ほどばら撒き、読者の想像を強く掻き立てるやり方はエヴァからの伝統であるが、それを可能としている作者の速筆と物語を破綻させない構成力は才能だろう。…構成の方は初めから破綻していたという見方もできるが。ちなみに、『戯言シリーズ』よりも『魔法少女りすかシリーズ』の方が好み。
前に出た作品の内容をよく覚えていないので適当なことをいうかもしれないが、以下に最終巻の感想を。
まさか、ここまでハッピーエンドになるとは思わなかった。確かにこれまでの
結局、面白いが最悪、というのがシリーズに一貫した感想だった。