杜の都のSF研日記(アーカイブ)

旧「杜の都のSF研日記」http://d.hatena.ne.jp/sftonnpei/ 内容を保管しております

読書

月は地獄だ! ジョン・W・キャンベルJr

 これぞホントの古き良きSF。アメリカは月に初めて着陸し、まず表側全ての領有を宣言!
それから4年後、今度は通信も届かぬ裏側に着陸。裏側の領有も宣言しついにアメリカは世界の一歩先を・・・
と思っていたら、2年後に飛行士たちの回収にやってきた帰還船が爆発!飛行士たちは
食料も空気もない月面で再び救助の手が来るまで生き延びなくてはならない!
 というわけで酸素を作るためにみんなでせっせと太陽電池を手で作り、鉱物を電気分解し、
選ばれたメンバーが通信が届く表側に向かい、そして食い物は建材・本などで合成(!)
と奮闘する話。ほとんどが日記形式になっている。
人間極限状態になってみないと分からないことは多いと思うが、木製「石器時代ケーキ」は
なんとなく試してみたい気はする。
そういや、昔「戦争になったら革靴を食う」なんてのがあったが元ネタは何なのやら

言壷 神林長平

 著述支援能力を持ったワープロ「ワーカム」etcをめぐる短編集。
「言葉使い師」でも言葉によって世界が文字通り「創られる」転じて言葉が世界を「滅ぼす」という関係まで持っていったが、ここでも言葉とヒトの並々ならぬ関係がいろいろと示唆される。
もちろん世の中、言葉の持つ力の生かしようで失敗している奴もいたりするわけで(例:映画版デビルマン
言葉との付き合いというのはまあ大変である。
しかし、神林長平作品にはやっぱり「フムン」は必須なのか