杜の都のSF研日記(アーカイブ)

旧「杜の都のSF研日記」http://d.hatena.ne.jp/sftonnpei/ 内容を保管しております

終わりのある風景

Boichi氏の「Hotel」読みました。これこそセンス・オブ・ワンダー

終局のエニグマ〈上〉 (創元推理文庫) 終局のエニグマ〈下〉 (創元推理文庫)

ホーガンが政治に懲りだしたころの話なので、リキを入れて書いているソヴィエトの皆さんや
「反社会的」な有用人材を計画的に使うためのコロニーの収容区画ザモルクの描き方が面白い。
でも、実はエスピオナージュでポリティカルなアクションに偽装したSFミステリだった! な、なんだってー!
…これでこそホーガンです。スペースコロニーがこんなに圧迫・閉塞感のある作品はないかも。

量子宇宙干渉機 (創元SF文庫)

 創世記機械 (創元SF文庫)によく似てると言ったが、こちらは平行宇宙を利用する。普通なら宇宙探査機 迷惑一番 (ハヤカワ文庫JA)
OR「雲のむこう、約束の場所」のようにつなげて使うのかと思いきや、そこから出す情報を統計的に
利用し、一番の解決策をするという作戦。しかし、最後にはマークIIIことJ爆弾にはならず、
参加した科学者たちは「平和な別宇宙に逃げてしまう」というこれまでの
ホーガンから予想もつかない方向にいってしまう。これもやはり時の流れに伴う変化か。
組織の人にもいいひとが出てくるってのも変化か。