杜の都のSF研日記(アーカイブ)

旧「杜の都のSF研日記」http://d.hatena.ne.jp/sftonnpei/ 内容を保管しております

代償

私はすでにやり終えているのでひとり「へへーん、がんばってねー」としているのは悪いと思い積読の片付けに入りました

カズムシティ (ハヤカワ文庫SF)

カズムシティ (ハヤカワ文庫SF)

前作とは打って変わって、主君の仇討ちのために異形の街へと潜入する男のハードボイルド
話がまとまったため、啓示より読みやすい+ネタ的に良くあるけれどもそれなりに完成したSFミステリになってる。
ただ、とある謎について前作とほぼ同じタイミングで登場なのが困ったところ。この人のクセ?
啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)の前日譚として読むよりも頭を切り替えたほうがいいことはいい。知っているに越したことはない。
ちなみにあとがきによると、「この分量じゃ売れない、二倍にしてくれ」と出版社が注文をつけたそうな
日本じゃ考えられませんのぅ
太陽レンズの彼方へ―マッカンドルー航宙記 (創元SF文庫)

太陽レンズの彼方へ―マッカンドルー航宙記 (創元SF文庫)

 連作短編集マッカンドルー航宙記 (創元SF文庫)&その続編。カーブラックホールと戯れるのがメシより好きな変人科学者と
相棒の船長が、原理的に何G出してもOKな「相殺航法」で飛び回っては様々な事件を解決するシリーズ。
私はいまだにSF=ガジェットの文学であるという見方をしている(実験的文学とはそれそのものがガジェットなのだ!)
身としてはツボ。金をかければ実現するかというとそうでもないが、理論のもっともらしさと理解のしやすさという点でよい。
官僚主義から女の戦いに未来の食糧問題、はたまた世代型宇宙船(すでに20隻近くが出発し、もう連絡がない奴までいるということが
平然と明かされる)から人道主義までが笑いの種にされてしまう。イギリス人のジョークってどこかベクトルが違う気がする
残念なのはアルファケンタウリ行きなどが話としては出てくるし、船内時間でたった44日でいける
のだが結局実現しなかった+02年にシェフィールドがお亡くなりになっていること。つ、続きが・・・・