Jコレ2本 円城塔「Self‐Reference ENGINE」&伊藤計劃「虐殺器官」
ハヤカワSFシリーズ Jコレクション2作 両作品とも小松左京賞最終選考。
Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: 単行本
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「これは明らかにモリアーティ教授の犯行です。わたしどもから申し上げることは以上です。」
「シンギュラリティ」を舞台設定のための土台としてではなく、その結果として知能を突き詰めた巨大知性体が至った先をバカ真面目に(褒め言葉です)テンポよく書いた連作短編集。
自分が気に入ったのは
・なんでもないような理論が全世界を嘲笑する「A to Z Theory」
・滅んだ後の日本語をあれこれ解釈しようとする試み「Japanese」
・謎の言語(?)の刻まれた像をめぐる一幕「Tome」
突き放しているラインナップに見えて一つ一つがネタだけでなく構成的に凝られているので
ゆっくり一話づつでも読んでいけばよいのではないかと。読む人それぞれに読み方があり、そして読者なりの
並べ方がある気がする。いうなら劇中に登場する「Box」そのもの。この知の「挑戦」、ぜひ受けてもらいたい。
- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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「不条理なもんは全部カフカだ」
新たな世紀を迎えて、激化するテロとの戦いのため、新たに創設された部隊が追うのは
世界中に「虐殺の種」を撒く謎のアメリカ人だった。
昨今の状況からありうる近未来を描いたサクサク読める諜報戦争アクション小説として楽しませてくれる
だけでなく、中盤の講義シーンからメカニズムが解明されていく中で「おおっ」と言わせてもらえる。
911、そしてサラエボで全てを変えてしまった大型テロの後矛盾を抱えながらそれでも走り続ける
サイバーとナノテクが不規則に浸透するいうなれば「1984年」的悪夢と小汚い未来が共存する世界。
その中で人々はどう変容していくか、それでもどう変わらないのか。
そして「器官」という文字通り中身をぶちまけるイメージが示すのは戦争とそれがもたらす結果か
それとも人間の本質か。
「Self-reference Engine」と「言語」に対するイメージを比較してみるのも面白いのではないでしょうか
なんとなく読みながら頭の中で「BLACK」でアタコーヨ!してたのは俺だけでいい。
- 出版社/メーカー: エレクトロニック・アーツ
- 発売日: 2006/04/06
- メディア: Video Game
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固い敵ばかりが登場します やっぱりこいつらもヤクやって麻痺してるのか?
そういや機本伸司の新作も出てますな ますますJコレから目が離せないっ!