杜の都のSF研日記(アーカイブ)

旧「杜の都のSF研日記」http://d.hatena.ne.jp/sftonnpei/ 内容を保管しております

SFセミナー2008

自分の中では橋=爆撃されるものらしい

参加レポ あまり詳しくない・まとまりがないのは仕様です。

Specurative Japan始動

ニューウェーブ運動から文学よりの皆さんによる思弁小説の始動、そして今後。荒巻先生は元気ですね。しかし出版社からあったという「川又さんと荒巻さんがやるんですか。SFって仮想戦記のことなんですか」ってなんじゃそりゃぁ。そっちはメシのたn(以下検閲により削除)

藤崎慎吾インタビュー

ハイドゥナンにサインもらいました。
「クリスタルサイレンス」では縄文人と自然、「ハイドゥナン」では地殻と微生物の一種の「ネットワーク」を仮定した先生の発想 ガイア仮説ユングの「集団的無意識」?
微生物と地質学の関連は学者先生から聞いていたものの、当時は「こんなこと発表したら干されてしまいますので…」「いや、小説のネタですから」→現在では立派な学説のひとつに。
自然界に存在する微生物の持つさまざまな機能について。 酒=微生物という理由で連載一回目が酒を飲む話(つまり「もやしもん」か??)「微生物使えばなんでもできる!」 非常に便利な存在 プロット的な意味で
自分の中では年代順に「宇宙から来た奴なら」→「放射能なら」→「人間の心の中なら」→「ファンタジー世界なら」→「バイオテクノロジーなら」何でもできる!というのがSFの方向性(?)だと思ってたので、これに新たに「微生物なら」が加わることになるか。(ぉ

ショートショートの現在

ショートショート史と諸氏の始めたきっかけ、動き、そしてこれから。
連想不可能ゲーム(前の単語とまったく接点の持たない単語を次々出し合う)というたとえが秀逸。
ショートショート」という言葉だけで8文字稼げるので助かってるといいつつ、もっといい名前がないか*1とも。また、生む苦しみは同じなのに文字数で金に換える出版についてもひとこと。

磯光雄インタビュー 電脳コイルの世界

SFにそれほど拘らないといいつつ実は設定マニアであることが判明。ぜひ説明台詞ノーカットバージョンを出してくれい。当初は「現実世界での魔法少女もの」もしくは「少女版鬼太郎」的なものを目指してかなり前にスタートした企画らしい。現実世界との技術の兼ね合いは一応調べたものの、自分は実現できないと思ってるからこういう話を作っていけたので、コイル視聴後現実にARを研究してる人からいろいろ引っ張りだこになったときはなんとも…などという面白い話も。
ちなみに飛先生*2の数値海岸連作は後から読んだらしい 
「火星の隕石ALH84001のニュースを聞いて『これって科学どころか人類がひっくり返るかもしれない大ニュースじゃね??!!』とNHKを回したら一番目のニュースがO-157、二番目が寅さん死去。火星の生物、地球の生物に敗れる(ネタ的な意味で)。」というところから、「科学がある意味で生活の中心である時代は終わった」と持ってきた辺りは興味深い。ほかにも80年代の新聞には「ソ連の最新兵器!!」なんて内容もあった云々。今では兵器に関してはスペックの「一方面」ばかりが強調されてそのものについては報道されないことが多いですな。
・グラフィックドライバの不具合により画面に残るマウスカーソルの軌跡のゴミ→古い空間→メタバグ
・何か変なこと=SF サイエンス・フェチ そういう先生は設定フェチでしたが(ぁ


宿泊企画 参加したもののみ。

藤崎慎吾インタビュー番外編(つづき)

さらに細かい映像や話など。海中の「しんかい」の音はいわゆるコンクリートマイクを用いて収録したもの。いわゆる壁の向こう側を盗聴するのに使う。
科学雑誌ニュートン編集部にいたつながりで、しんかいを用いた企画により深海へ実際に行くことになったことについていろいろ。いうなれば毛利氏「宇宙実験」の海中版。海で子供たちの発想を生かそうという試みは実はぜんぜん行われていない。しかし流石に「しんかい」に子供を乗せるのはまずいので藤崎先生が「研究員」として搭乗し実験を代行した。豆腐やコンニャクを持っていったが深海ではつぶれなかった。さらに卵も(微小な穴が開いているため)つぶれない。しかし卵を持っていった目的はなんと「温泉卵を作るため」。できるにはできたが今流行のアレの臭いがきつかったらしい。

クラーク追悼企画

濃ゆい話がどんどん出てきた良企画。誰も知らないクラークトリビアからウエルズに始まりオールディス・バクスターとつながるイギリスの「人類未来史SF」の系譜まで。
クラークはステープルドンの、さらにステープルドンはウエルズの「世界文化史体系」とJ.D.バナールの「宇宙・肉体・悪魔 理性的精神の敵について」を基にしており、その中には宇宙植民はおろか肉体の機械化、そしてそれをさらに超越したエネルギー生命という「宇宙の旅」シリーズに登場するモノリス建造者の元ネタが出てくるのだという。
一方で、キチンと調べもののできる若い人が入用と言っていた。ネットが普及してもこの辺はまだまだ難しい?
「お稚児さん」に関するゴシップでない情報もあった。幼少期の影響もあるか?

若手SFファンのゆうべ〜大学SF研事情ふたたび〜

昨年のSF研今昔を受けて関東圏で行われている「AtoZ読書会」http://www9.atwiki.jp/a-to-z/に関する方針など…が三度ほど繰り返し確認された感が。一回巧いタイミングで上京する機会があれば参加できるといいかも。
ただネットワークが重要で個の抱える問題はノータッチではあった。
・地方ファンジンと大学生の違い??
・表に出ることの重要性?
・「一人」引っ張れる人間が居れば未読等問わず牽引できる??←これは疑問
 終了後にDAICONのSF研関連担当の方などとお話できてこちらのほうは色々と。「このミス」で自分たちのその年のベストをのせてる大学の研究会は7つだが「SFが読みたい」では3つしかないので…とのことなのでここはひとつ奮起しようという気に。

どうでもいいこととして

2回「○○はSFではない」論争が演者に残した影響が出てきて、この不毛な問題がどれだけ多くの汚点を残したかがよく分かる。


OBの方々も元気でいらっしゃったようで。二日間有難うございました。個の場を借りてお礼申し上げます。

*1:本企画中に出てきたのは「クリスタルストーリー」 流石にちょっと厳しいと思う

*2:コラボ(?)効果があったらしい