杜の都のSF研日記(アーカイブ)

旧「杜の都のSF研日記」http://d.hatena.ne.jp/sftonnpei/ 内容を保管しております

祭典 ワールドコン・SF大会参戦記

初日前の準備+3・4日目の参加。けっこうつまみぐいでうろうろしたり肝心なときに仕事をしていたりで
メモも取らなかったことも加えて記憶からスッポリ抜けてるものもあるので思い出せる限りで

三日目・SFと軍事

ださくいさく&野尻氏だ〜
・・・遅かった 入れねぇ

サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ!

瀬名秀明氏主催による最先端の研究者&SF作家によるプレゼン+討論企画。
研究者サイドのプレゼンのうまさに比較すると、いろいろと投げかけられたはずの
SF作家側が無難な範囲の回答に収まっていてぱっとしない印象を受ける。
SFが技術をリードし牽引しなければならない+SF作家たるもの
最新技術に常にリードをとらねばならない!というつもりは決して無いのだが
振られた話題に関しての応答はどうも歯切れが悪いというか方向が定まらないというか。
 進行の不手際云々で瀬名氏は後にブログで謝ってましたが、私は運営側のほうもちょっと
気配りすれば防げたことだとは思うのでどうも。なんにせよ日本のSF作家で研究者サイドへの
浸透があってある意味で「一般向け」なイベントを牽引できる人は瀬名氏だと思っているので、
またさまざまな機会も設けて欲しいです。応援しております。
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/03/631.html
ここなんかに詳しいレポあり。


気になる研究者語録
・二足ロボットは一コケ200万円
 パトレイバーだと腕一本一億円だったか?
・歌を歌うのはクジラ・鳥の一部と人間の種類としては3種類
ドレイクの式などを考えると言語を持つ文明は短命になる?
 星野氏の「文明から身を守ろうとする○」という漫画を思い出した
BMIや脳深度刺激が倫理的に問題になるが、そもそも人間は酒やコーヒーに頼り始めた時点で
マトモな生物ではない!
 「万物理論」の昔はカフェインというものを・・・というくだりが思い出される
というかあの場でグレッグ・イーガンの「グ」の字も出なかったのは凄い
・人間らしさは二面ある 理性もだらしなさも人間らしさ
 チューリングテスト選手権で合格するプログラムはランダムに口ごもったり誤字脱字を行う
いってみればだましのプログラム。そんな要素が人間らしさなのか??
・「錯覚」を利用して強制的でない「人ロボ一体」を目指す「パラサイトヒューマン」
保有者同士がLAN環境を共有し合うFONのようにパラサイトヒューマン同士が融通しあって
「ちょっと君を借りるぞ」的に買い物や荷物受け渡しに使う未来とか
2050年にワールドカップ代表を破ったのはパラサイト化されたスポーツ音痴集団(ただし遠隔操作)
とかできそう。
まぁ、”弧人”が複合体の中の”個”となるまでには人間側の大幅な意識の変容が必要となるでしょうけど。

ヒューゴー賞

 今年のトロフィーのデザインはあそこが関わってるので先日公開されたアレ関連かと
ちょっと思ったのは俺だけではないはず。ちなみにもう一方の日本SF特撮*1にも声をかけたが
こちらは権利関係でハネられたとあとで聞いた。
映画はこれから公開のヤツらしい。中継を見てすらハッスルしまくる外人さんの熱気に終始圧倒される。

4日目・CGとゲーム

鬼武者っていつの間にあんなにすごくなってたんだ<アンタがやってないだけです

テッド・チャン インタビュー

気になったもの
「死を前にしても充実した生を送る夫婦の話から『あなたの人生の物語』は生まれた」
「イーガンからちょくちょくメールをもらう」
「シンギュラリティは宗教じゃあるまいに」
てなぐあい。一番最初に「それでは "Your" life storyを聞かせてもらいましょうか」と
シャレこんだ一幕は大爆笑だった

ロケガ上映会

 軽快な音楽が流れているので覗いてみたら小惑星探査機「はやぶさ」の驚異に満ちた探査
をまとめた科学番組「祈り」の上映が!!!実際のテレメトリデータ+撮影画像から作成された
CGはどこをとっても迫力満点。観測終了以後、コントロール一時喪失後の泣かせる演出に
壇上の松浦&野尻氏をはじめうるうるきてる人がいた 自分もいいところまでいった。
 70年代の米ハードSF作家達はJPL(ジェット推進研究所)なんかに遊びに行って
ナマの研究者の話を聞いてネタget!としていたとか。例として挙げられていたのは
インテグラル・ツリー (ハヤカワ文庫SF)木星―イオ系のガストーラス、「降伏の儀式」の土星の衛星群とか。
(どっちもニーヴンかい)
今回は(ほぼ)全てが日本で進行したわけで、海外にも行かずに最先端の話題に触れられて
うれしいとのこと。
2010年帰還まで探査機&スタッフともども無事でいて欲しいものです

星雲賞

谷甲州谷甲州!(いや、あれはおn・・・いやなんでもない)
あとM-Vロケット受賞キター

その他

・加藤直之氏の手書きバーサーカー+サインget
・オープンスカイの実機をみる 次はエンジン搭載機で星雲賞だ!
・「レッドデータ」絶滅危惧種AIBO初期型を目撃 視力が衰えている?とか
・用事の関係で最終日出られなかったのが悔やまれる

まとめ

・海外の人との合同企画はバランスがちょっとでも片方に寄ると参加者がガラリと変わる
といった感じだった。今の時代になっても巧い方法は無いもんか
・某二大出版社の影が薄い というかもちっと協力してもいいんじゃ?
・すれ違う人皆有名人という経験は自分の中では初めてでかなりビビった
・もちっと最初に予定立て巧くやっとけば良かった というか5日間全部参加したかったね・・・
ボランティアもある程度先に強制割り振りでよかった気がする。
・何はともあれ多くの人々と時間を共有できました。参加した皆様 お疲れ様です

*1:円谷は他にも作ってんですよ 怪奇大作戦とかスターウルフとか まぁ派生してないといわれればそれまでだが・・・