杜の都のSF研日記(アーカイブ)

旧「杜の都のSF研日記」http://d.hatena.ne.jp/sftonnpei/ 内容を保管しております

Feel So Reference ギブスン&スターリング「ディファレンス・エンジン」

盆近くの長い列車旅で消費したもの
(追記:タイトルのスペルミス・・・)

ディファレンス・エンジン〈上〉 (角川文庫)

ディファレンス・エンジン〈上〉 (角川文庫)

ディファレンス・エンジン〈下〉 (角川文庫)

ディファレンス・エンジン〈下〉 (角川文庫)

バベッジ卿が階差機関そして解析機関(ディファレンス・エンジン)を開発に成功、さらに急進派が政権を握り
バイロンが首相となったイギリス。そこはすでに蒸気コンピューターによる
ネットワーク網が築かれていた・・・という歴史改変サイバースチームパンク小説
 本歌取りであることはまぁタイトルどおり。熱気むんむんで驀進する社会の描写に圧倒される
ゴチャゴチャしすぎ+後半の騒乱っぷりなんかはちょっとそりゃねーよというのもあるが。
しかしこれは一番最後にひっくり返されるというとんでもない構成をとってるわけで
確かに本歌取りなわけだ。問題は階差機関ってけっこう減りが早そうだから長持ちするかどうか・・・
スチームパンクというとガジェットのみが目立ってるのが多いが、そこをさらに踏み込んで社会変化も含めた
歴史改変SFにしたというのは面白いところ。気になるのはどこからどこまでがスターリングorギブスンなのだろうか