グレゴリイ・ベンフォード「時空と大河のほとり」
- 作者: グレゴリイベンフォード,山高昭
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1990/01
- メディア: 文庫
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ハードSF作家の短編集。いまのところ「夜の大海」と「タイムスケープ」は既読。
個人的には「時の破片」と「嵐のメキシコ湾へ」がツボだったかな。
レノンに成りすます話とか出落ちに近いものもあるけど。
「時の破片」は初期クラーク的な一発アイデアハードサイエンス短編(なんじゃそりゃ)
ろくろは回転することで粘土の形を整える。模様は粘土に接触する手や刀などで刻まれる。
もし周囲の雑音が刀に影響などを与えていれば、エジソンの円筒型蓄音機のように音が録音されるのではないか
そしてそれを回転させる・解析することでその陶器が製作されていた環境の音を再現できるのではないか
というアイデアを扱っている。
「Xファイル」でもそれを扱ったネタがあり、ディスカバリーチャンネル「怪しい伝説」でも
再現実験をやっていた。保存のため焼くと情報が劣化するのが当面の課題か。
「嵐のメキシコ湾へ」は80年代を反映した核戦争サバイバル物で、避難する場所が
まったく正反対*1だったりする興味深い一品だが、これを投稿した「核戦争物」アンソロジーの
他作品は全部「核戦争後」のファンタジー世界を扱っていたそうだ
・・・世界リセットの手段の一つにしか過ぎないのかよ!