杜の都のSF研日記(アーカイブ)

旧「杜の都のSF研日記」http://d.hatena.ne.jp/sftonnpei/ 内容を保管しております

無人偵察機、制御不能で撃墜さる

人工知能搭載といえば暴走するのがフィクション世界のお約束。前も「ラジコンなのに命令無視で撤収」する羽目になった軍用ロボットがあった
イラクにおけるロボットの反乱(?)、鎮圧される
http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=08/04/12/235200
今度は何と米空軍が既に「有人機との交代」まで始めてしまった無人偵察機が制御不能に陥り、それを「有人戦闘機」が撃墜するという事態が起こったという話
>USAF Shoots Down Out-of-Control Reaper Over Northern Afghanistan
http://www.securitymanagement.com/news/usaf-shoots-down-out-control-reaper-over-northern-afghanistan-006194
その他まとめてなら
http://news.google.co.jp/news/story?um=1&ned=jp&hl=en&cf=all&ncl=dlHXHVA6xKId1lMRzcsC2NquTCx5M
日本語版がなくなってしまったテクノバーンだが、本家ではちゃんと紹介中
>US Air Force shoot down uncontrollable UAV over Afghanistan
http://www.technobahn.com/news/200909151535
9月13日、アフガニスタン北部でハンターキラー任務(上空で待機し、要望に応じて偵察や空爆を実行)中だった米空軍のMQ-9プレデターB/リーパー無人偵察機にトラブルが発生。コントロールを失ったリーパーがアフガニスタン領空を脱出する危険性が出てきたため、米軍はF-15E戦闘爆撃機によってこの「命令違反」のリーパーにサイドワインダーを撃ちこんで撃墜したとのこと。リーパーはこの後山に激突して大破したようだ。

飛んでいく方向がどっちにせよ、回収できない場所に最新鋭機を落っことせば取り巻きがゾロゾロ… でF-117のときのようにロシアや中国のの手に渡り「無人偵察機妨害装置」なんてものを開発される可能性もある訳で米軍もこうせざるを得なかったのでしょうな。GPS誘導爆弾でも既に妨害装置があると聞くがどこまで効果があるかは不明。なにはともあれ、無人偵察機が事故で失われるのは結構ある(着陸操作が難しい)らしいが、米軍としてはこのような事態で偵察機が失われたことは初めてらしく、調査を進めるようだ。原因は今のところは不明。システムエラー?操縦系統の異常? 妨害…??は流石にありえないとは思うが。反乱?ラジコン機に毛が生えた分際で何をする気だ貴様*1


今回は発覚後さっさと撃墜で済んだわけだが、これが「向かう先が人口密集地」だったり、「武装が特殊」だったり、対応にもたついてる間に位置をロストしたりしてたら映画「ステルス」じゃないが大変なことになっていたに違いない。無人偵察機は(時々怪しい国境沿いの暗殺任務についているようだが)アフガンでの作戦に欠かせないものになっている。米軍も原因をさっさと突き止めて投入を続けたいところだろう。


ちなみに制御が効かなくなって飛んでいくものといえば昔は気球だった。1998年8月31日、カナダから放出された気象観測気球が「飛び過ぎて」大西洋民間航路を邪魔するという珍事が発生。カナダ空軍はF-18戦闘機を送ったが1000発撃ちこんでも撃墜できず、気球はスウェーデンに向かって飛んで行ったという。
http://www.page.sannet.ne.jp/km_iwata/98nen8gatu.html
M61バルカン砲を1000発食らっても落ちない気球が優秀なのか、それともカナダ空軍が(ry
だから純国産のアブロ・アローにしておけと(まったく関係無い つか無理)

追記

やっと日本でも紹介が
「ロボット戦闘機が制御不能で暴れだしたら?」 gizmodo
http://www.gizmodo.jp/2009/09/post_6197.html
最近敵性勢力による「撃墜」もあったというが、なんだかきな臭いですな。
ちなみに「イランから飛来した無人偵察機」が米軍で撃墜された事例もあるようで、ますます緊張が高まります

*1:手放し操縦ができるのは巡航中だけだろう 自動爆撃なんて便利かつ危険過ぎるモードはつけない筈