杜の都のSF研日記(アーカイブ)

旧「杜の都のSF研日記」http://d.hatena.ne.jp/sftonnpei/ 内容を保管しております

既に視た感覚(一部未見の人は注意ですよ〜)

シャワーなんかじゃ消せない愛がある


・・・こらこらそんな古いネタを。
 米海軍士官を狙った大規模爆弾テロ事件が発生。捜査官は爆破に巻き込まれた犠牲者を装って「テロ前に」
遺棄された女性の死体を発見する。彼女の足跡から事件の捜査は別の展開を見せ始める・・・
 今作品に登場する「タイム・ウィンドウ」システムはSnow White(白雪姫)の異名を持つ。7機の監視衛星が
地球軌道を周回し、GPSのごとく同時に4衛星が同じ地点をカバーできるようになっている。その情報を
地上のコンピューターで解析し、設定した任意の地点における動画ならびに音声情報をすべて再現して
再生することが出来る。ただ、ストリーミングデータの解析に時間がかかる(しかも、リアルタイムで情報が
上から送られてくる)ため、四日と6時間前の情報を一回しか見ることは出来ない。*1・・・なんてな。
起動シーンもそうだがまさしく未来版Google Earth。行き着く先はどれも監視システムか?


でここから本題。この作品は慣れている人間に乗っては非常に単純かつ理解に困ることはない映画である。
なぜなら、この作品は○○だからだ。しかし、この2文字が分かればこの映画の宣伝工作は失敗なのである。
というのも、実際に公式サイトにいってみるとこの映画は「アクションサスペンス」と記述されており
あの二文字はプロダクションノートにもない。冬の時代を象徴させる「演出」に、映画の出来には満足
しながらもなんとなく割り切れないものを感じるハメになった。そうか、それすらネタバレ扱いにするのは
「売れなくなる」からなのか・・・ネタバレ上等の宣伝もそれなりに多いご時勢ゆえ「サプライズ」では
あるのかもしれませんが。
 でも良くはできてます。なんたって「これは二度目だよな?」なんて台詞があるんですから。
(まだ見てない人は注意 検索エンジンで引っかかった人、ゴメンナサイ)
蘇生アイデアもナイス。ただ、自分は心臓よりも脳波が心配だと思う。それこそ砂漠の惑星 (ハヤカワ文庫 SF1566)に出てきたような植物人間が完成するのでは?

参考資料

  • ゴーグル搭載車両の元ネタ

DARPA グランドチャレンジに搭乗したカーネギー・メロン大学ハンヴィー改造車両 目的は違うが見た目は良く似てる。
http://www.redteamracing.org/ 

  • タイムウィンドウ・ゴーグル

ヘッドマウントディスプレイ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4
というか透過型ディスプレイにしような。一般人があんな捜査で事故に巻き込まれてはたまらん。(なんかあそこは「アイランド」的)
現実世界に別時制の情報を投影するアイデアはかなり面白い。ただ、演出の都合上主人公が混乱してるところしか強調されてないのが残念だが。
 現実世界の映像に必要とされる情報を投影する技術はウェアラブルコンピュータの目指す目標のひとつで、
使い方しだいではいろいろなこと(動かせない部材や部位での作業・手術で、補助線や隠れた部分を直接投影するetc)ができる。

  • ANFO ammonium nitrate/fuel oil 硝安油剤爆薬(アンホ爆薬)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%9B%E7%88%86%E8%96%AC

*1:録画は出来るが、巻き戻って同じシーンを別角度から見ることは出来ない