杜の都のSF研日記(アーカイブ)

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シュッツシュタッフェル・オブ・ザ・デッド 佐藤大輔「凶鳥フッケバイン ヒトラー最終指令」

凶鳥“フッケバイン”―ヒトラー最終指令 (角川文庫)

凶鳥“フッケバイン”―ヒトラー最終指令 (角川文庫)

女性と子供に武器を持たせぬためであれば、差別主義者の汚名を甘受しよう

1945年、米ソに侵攻され進退窮まったドイツ軍がとある航空機を撃墜した。
それはどこの国にも所属せず、奇妙な外観と戦局を左右しうる恐るべき能力を持つ
俗称「フーファイター」、そしてまたの名を「フッケバイン」。
ヒトラーは直ちに特殊部隊を派遣しこの物体の回収を試みるのだが・・・


フッケバイン(ヒュッケバインも同じ)は災いをもたらす伝説の大ガラスのこと。戦後のジェット戦闘機
MIG-15・プルキなどの元になったTa-183の愛称や「おやじさん」のベルカ戦争時の二つ名としても有名
・・・ってそっちはあんまり関係ないか。まぁとりあえずいつもの仮想戦記路線からちょっと
外れてネタ全快で突っ走ってみた快作。ナチス+第三種接近遭遇+ゾ○ビ!さらにマニアが
泣いて喜ぶ秘密兵器が続々登場する。そのうえでお約束を全て外していないわけで
「デストロイ」でわざわざ呼ばれたのもうなずける。といいつつあの「毒」とこちらの「毒」では
その方向性がだいぶ違いますが。でもそれゆえに読んでて安心できること請け合い。後日譚がニクいやね。


さて、懸案は「秩父事件」。分かっていることは次の通り
・1943年 日本の秩父山中に「何か」が墜落した
・日本軍は「ありえない方法で」その物体を撃墜した
・墜落地点付近ではカッツェンボルンで発生したような事態が進行した
・その結果から、「彼ら」は人類を知的生物とみなしていないことが推測された
・日本軍はなんとかこの事態を収拾し、極秘事項として闇に葬った
・その情報は枢軸国間で共有された(が、共産スパイの手でその情報は連合国側にも渡った)
うーん 今のところ分かっているのはこれだけ。やっぱりここはひとつ秩父事件で一本、
でなくても萌えに走ったあれじゃなくて、こちら「凶鳥」漫画版でも・・・
ゲンブン先生やヒラコーが理想ですが流石に無理か?(それじゃいつになっても完結しません!)


おまけ
・ZG1229「ヴァンパイア(ヴァムパイア)」夜戦装備
AK-47の元になったMP-44に装着する一種の赤外線暗視装置
http://images.google.co.jp/images?q=zg%201229
・アハゲリスFa223(初期の実用的?兵員輸送ヘリコプター)
http://images.google.co.jp/images?q=Fa223
一番イメージしにくいものなので。というかネットの発展の読書に対する影響の一つが
「イメージしにくいもの」をすぐに調べられること。ただし固定されてしまうのも難点か。